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「公務員→民間への転職」書類通過率はどれくらい?【実体験あり】

転職に悩む公務員
転職に悩む公務員
いま公務員でこれから民間企業に転職したいけど、実際のところ書類って通過するのかな?目安でもいいから書類通過率を知りたい!

こうした疑問に対して、実体験から回答します。

回答者:瀬戸大輝(キャリアアドバイザー)

新卒で神奈川県内の市役所に入庁

30歳目前の7年目に一念発起して株式会社リクルートへ転職

現在はリクルートの現役社員として「公務員から上場企業への転職体験」を発信中!

結論:僕の書類通過率は20%程度でした

最初に僕の諸条件を簡単に整理しておきます。

・新卒で神奈川県内の市役所に入庁

・7年目の年に転職活動開始

・大手企業に絞って書類を提出

この条件において、僕は書類通過率が「50社提出→約10社通過の約20%」でした。

この「20%」という数字にどのような印象を持ちますか?

僕は転職活動前に「書類なら50%くらい通るだろwwwww」と思っていたので、想定よりはかなり低かったです。

「20%も通るの!いけるやん!」というあなた、いますぐ転職活動しましょう

「え…20%なの…」というあなた、このまま記事を最後まで読んでくださいね

一般的な書類通過率ってどれくらいなの?

みなさんの代わりに僕が調べてみました。

マイナビ転職(https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/naiteisha/)によると転職活動時の書類通過率は約30%だそうです。

これが正しいとすれば、僕の「20%」という数字は平均よりやや低いということになります。

生意気にも僕の書類通過率を「公務員→民間転職」時の代表値とすると、地方公務員は転職活動の書類選考において不利と言えそうです。

もちろん現実の通過率は人や状況によって変わりますし、あくまで平均であることに注意が必要です。

余談:民間→民間の転職事情

ここのパートは余談です。お時間取ってすみません。

この記事の監修者の山本さんによると、民間→民間の転職者は「極端に二極化している」ようです。

・結局のところ書類通過率が高いのは「学歴・職歴」が立派な人で、そうでない人の書類通過率は10%~20%に落ち着く

・同業界・同業種間での転職の場合は書類通過率が著しく高くなる。一方で異業種での書類通過率は低くなる

二つ目の「異業種間の転職の場合、書類通過率が低くなる」という点を考慮すれば、「公務員→民間企業」の通過率が低いのはある意味当然です。

つまり「公務員→民間」の転職希望者は「異業種での民間→民間」の転職希望者と大差ない書類通過率となります。

「書類通過率が20%!?低っ!!!」と数字だけで反応せず、こうした相場を知っておくことが大切です。

書類通過率を上げるためにできること

僕が公務員から民間企業への転職を終えた今、書類通過率を上げるために「過去の自分にアドバイスしたいこと」をまとめてみました。

①上場企業に勝機あり

「自分に自信ないし中小企業にエントリーしようかな…」というあなた!ちょっと待ってください。

実は「上場企業へのエントリー」に勝機があります。

僕も中小企業に出していた時期がありますが、全然うまくいきませんでした笑

実際スタートアップ企業を含めてたくさん書類を出してきましたが、書類通過した約8割は上場企業でした。

ある意味で「大手企業の方が公務員に寛容」なのは以下の理由だと考えています。

①第2新卒的な意味合いで採用する余裕がある

②「中途の人も育てよう」という意識がある
(即戦力にこだわりすぎていない)

③面接するリソースが多くある

想像してほしいのですが、大量採用できないスタートアップや中小企業に「公務員の人を面接してみよう」という余裕があると思いますか?

実はこうした事情で大手企業の方が書類通過率が高くなります。

②メンタルを維持せよ

書類通過に一喜一憂していると、体がもちません笑

面接に到達したころには息切れ状態で、面接官に良い印象を与えられません。

そのため書類審査については、以下のようにマイルドに考えることをおすすめします。

・新卒の就活よりも書類通過率が低くて当たり前

・公務員の就職活動と違って「ご縁」の要素が強い

・書類審査でダメだったとしても、それはあなた自身の否定ではない

最後のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

民間企業への転職で「公務員です」はマイナスか?面接対策は?こうした疑問に対して、実体験から回答します。結論:面接はマイナスからのスタートになる僕が公務員から民間に...

③とにかく書類を出せ!!!

誤解を恐れず言えば、書類通過については運の要素が大いにあります。

実際にヒアリングしたところ「直近で採用した人が不真面目すぎて残念だった…」というタイミングだと、公務員からの転職希望者に興味を持ちやすいとのことでした。

↑こんなこと、知る由もないですよね?

ただ、現実にあなたの追い風になるような状況は発生しているんです。

だからこそ、こういうチャンスを掴むためにも「迷うくらいなら出そう!」ということになります。

④「工夫した経験」をアピールせよ

公務員への偏見として「お役所仕事を淡々とやってきたんでしょ」というのが根強くあります。

そうした偏見を跳ねのけるために「仕事で工夫してきたこと」を自信をもってアピールしましょう。

これは「評価されたかどうか」は関係ないです。

もし「仕事で工夫したことがない」という人がいれば、それはそもそも民間企業への転職を考え直すべきです。

もしくは、明日から「どこで工夫できるか?」を意識して業務に取り組んでみましょう。

⑤「気合・根性・覚悟」をアピールせよ

転職では「民間企業で成長してきたツワモノ」と戦うことになります。

特に上場企業を目指す場合は「学歴あり、能力あり」みたいなライバルも多いので、ストレートに「能力勝負」で挑むとやや分が悪いです。

もちろん実績や自己アピールはしっかりしつつ、気合・根性・覚悟があることを恥ずかしがらずに伝えるべきです。

僕の場合は「体力・気合」にそれなりに自信があったので、恥ずかしげもなく伝えるようにしてから書類通過率が上がっていきました。

もし気合や根性に自信がない場合は「公務員という安定を捨てる」という自分の覚悟を伝えるのが効果的ですよ。

さいごに

ここまで公務員→民間企業の転職での書類通過率について解説してきました。

結局のところは「人による」のですが、公務員の方の書類通過率は(一般的に)低くなる傾向があります。

そのため、この記事の後半でご紹介した「書類通過率アップのアドバイス」も参考にしてもらいつつ、健全なメンタルで書類をドンドン出してもらえればと思います。

次回の記事もお楽しみに!

本記事の監修者

山本匠悟(キャリアアドバイザー)

慶應大学卒業後、新卒でデロイト トーマツ コンサルティングに入社。

コンサルティングスキルを応用した独自の手法で、公務員から上場企業への転職を実現してきた。